[数字どっとびず] 『数字はウソをつく』をもっと楽しむビジネスパーソンのための会計入門
会計用語集

会計用語:連結財務諸表

ある企業の子会社などを含めた企業グループ全体の財務諸表のこと。

『数字はウソをつく』P32の例をもとに具体的に考えてみると、製造メーカーであるA社は販売子会社であるB社に作った製品をすべて売っていて、B社はA社から仕入れた製品を、企業グループ外の顧客に売っているとします。

このとき、A社のB社への売上は2億円、B社の顧客への売上は1億円だとすると、A社単体の財務諸表の売上高は2億円、B社単体の財務諸表の売上高は1億円になります。

しかし、A社とB社を合わせた企業グループ全体の連結財務諸表の売上高は、A社の売上高2億円とB社の売上高1億円を合わせた3億円、とはならないのです。

連結財務諸表上では、A社とB社を合わせて1つの企業グループとみるため、この場合、企業グループの外にいる顧客への売上1億円だけがこの企業グループの売上となります。
A社からB社への売上は、企業グループ内の製品の移動と同じですから、連結上の売上や仕入にはならないのです。

このように、財務諸表には単体と連結の2種類があり、そのどちらか一方だけしか見ていないと、数字に騙される可能性があるのです。

ニュースなどで、ある企業が「売上高15%増!」などと報道されていたら、これは単体の話なのか連結の話なのかを注意して聞いてみてください。もし単体の話であれば、連結上はどうなのかなと考えてみたり、連結の話であれば、単体はどうなのかと考えてみると、数字を見る目がどんどん鍛えられていくと思いますよ。

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