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第1章 章末問題7
Q7 企業経営にとって正しい文章はどれでしょうか?
①資産は多ければ多いほど、良い企業である。
②負債は少なければ少ないほど、良い企業である。
③現金を持っていればいるほど、良い企業である。
④売上が大きければ大きいほど、良い企業である。
⑤いずれも正しいとはいえない。
A7 ⑤いずれも正しいとはいえない。
そもそも良い企業とは何かの議論が必要かもしれないが、ここではあえて気にせず一般論として考えてほしい。
①については、ムダな資産を持っていても意味がないどころか、維持費がかかってむしろマイナスとなる。また、資産を支える負債の存在も合わせて考える必要がある。
②については、企業の安定性の観点からは少ないほうが望ましいといえる。しかし、負債によって資金調達することで、規模の大きなビジネスを可能にする。新しいビジネスにスピーディに参加できるメリットもある。また、負債をてこ(レバレッジ)にして、株主利益の向上を図ることもでき、単に少なければ良いというものではない。
③については、現金を持っていれば、支払い能力も高く、スピーディな経営も可能となる。しかし、企業の中に現金を寝かせておくのは、効率的な資金運用を目指すべき企業にとってはマイナスで、株主の期待や経済社会での役割を果たしていないことにもなりうる。企業は常にお金の投資先を探して儲け続けなくてはならない存在なのである。それが、企業をM&Aに走らせる原因になることもある。
④については、売上が大きいことは、悪いことではない。しかし、その分経費もかかってしまっては、利益は大きくならない。利益の最大化が大切なのであって、そのために売上げることが必要となるのである。

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