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第3章 章末問題5
Q5 損害賠償を支払うため、本社ビルを売却したのはC社とD社のいずれである可能性が高いでしょうか?
C社のキャッシュフロー計算書(単位:百万円)
営業活動によるキャッシュフロー 6,300
投資活動によるキャッシュフロー ▲3,100
財務活動によるキャッシュフロー ▲4,100
D社のキャッシュフロー計算書(単位:百万円)
営業活動によるキャッシュフロー ▲11,000
投資活動によるキャッシュフロー 12,000
財務活動によるキャッシュフロー ▲630
A5 D社
自社ビルの売却による収入は「投資活動のによるキャッシュフロー」に計上される。また、損害賠償の支払いに関する支出は「営業活動によるキャッシュフロー」に計上される。「投資活動」にも「財務活動」にも分類されない収支は、営業活動に無理やり分類してしまうのだ。自社ビルの売却で資金を得たことにより投資活動によるキャッシュフローがプラスとなり、損害賠償を支払ったことにより営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなっているのはD社である。よってD社の可能性が高い。ちなみに、D社は株式会社不二家の平成19年3月期の金額を参考に作成。不祥事によってフランチャイズへの損失補てんという多額の支払いが必要になったが、自社ビルの売却により、100億円を超えるお金を手にしているため、このようなキャッシュフロー計算書になった。

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